パソコンのしくみ
2016/12/15
パソコンのしくみがわかると、パソコンの選び方もわかります。
パソコンのしくみ
コンピューター = プロセッサー + メモリ
パソコンは、コンピューターの一種です。
コンピューターは、
インプットされたデータを
プログラムに従って情報処理し、
アウトプットを出す機械です。
その動作は、以下のような流れになります。
1.データがメモリにインプットされる
2.プログラムに従ってプロセッサーが作業(処理)する
3.作業後のデータをアウトプットとして出す
∗ ここまでの説明がよくわからない場合は、以下の説明から、まずご覧ください。
パソコンの構成
パソコンで主役となるパーツはプロセッサーとメモリですが、
情報処理の前後で、プログラムやデータの流れをもう少しきちんと見ていくと、
さらにその他のパーツの意味やしくみがわかってきます。
プログラムのロード
具体的な情報処理のしかたは、プログラムによりプロセッサーに指示されます。
では、その指示内容はどのようにプロセッサーに渡されるのでしょうか?
プログラムも、プロセッサーへの指示が書かれたデータです。
だから、メモリにインプットされて、プロセッサーに読み取られます。
プログラムの場合のインプットは、特に ロード と言います。
ドライブとは
パソコンには、データやプログラムを保存するための機器が装備されています。
これをドライブと言います。
実際にデータが保存される場所(メディア)は、円盤型(ディスク)になっていることが多く、
それを動かして読み書きするため、車の運転と同じドライブという名前がつきました。
データやプログラムは主にドライブから読み出され、メモリにインプットされます。
ドライブはメディアの種類とともに進化しており、様々な呼び名があります。
USB
メモリにインプットされるデータは、必ずしもドライブから渡されるだけではありません。
キーボードやマウスなど、ドライブ以外の機器からも直接データを渡せる必要があります。
どんな機器からでも同じようにデータを受け渡しできるようにしたのが、
USBというつなぎ口です。
USBのつなぎ口は、USBハブによって枝分けし、増やすこともできます。
チップセット
もしもドライブやUSBなどから、むちゃくちゃにデータが入ってきてしまったら、
メモリを効率よく使えません。
通常は、プロセッサーがデータを交通整理しながら、メモリに入れていきます。
しかし、プロセッサーだけで何もかもを行うのは負担です。
そこで、その手前で交差点となり、信号機にもなっているのがチップセットです。
その他の接続口
USBが普及する前は、様々な機器に合わせて、様々なつなぎ口がありました。
今は、USBだけで様々な機器をパソコンにつなげられます。
それでも、ヘッドホンやマイク、SDカードなど、よく使われるものの差込口は、
USBとは別に、専用の差込口がチップセットにつながっているのが一般的です。
また、パソコンによっては、スピーカーやマイク、カメラなどが、
初めから内蔵されていて、チップセットにつながっている場合もあります。
ネットワーク
USBで様々な機器がつながるようになっても、パソコン同士の場合には、
ネットワークという特別なつながりが求められます。
ネットワークは、
遠く離れたパソコンとの接続 や、多数のパソコンとの同時接続
を可能にするしくみです。
このためネットワークには、USBではなく、
専用ケーブルのつなぎ口や、電波による無線接続機器
が、使われます。
グラフィックス
自動車やロボットなどに内蔵されている自動制御用のコンピューターとは違い、
パソコンは、人間が直接操作するコンピューターです。
操作の状況やアウトプットを目で確認できるよう、ディスプレイなどに表示します。
例えば、以下のようなディスプレイに表示されている1画素を考えてみましょう。
この1画素の色を1行だけ上の画素に移動させたいと思います。
∗ 「画素」がよくわからない場合は、以下の説明から、まずご覧ください。
手でつかめるものを動かすのなら簡単です。
しかし、この1画素は手でつかめません。
画面に映っているのは、ディスプレイにインプットされたデータをもとに、
ディスプレイの各画素でつくり出した光による色だからです。
∗ 「データ」がよくわからない場合は、以下の説明から、まずご覧ください。
1画素でも画面表示を変えるには、このデータから変えなくてはなりません。
ディスプレイにインプットされるデータは、
画面走査と同じ順番で、各画素の色データをつなげたものです。
∗ 「走査」がよくわからない場合は、以下の説明から、まずご確認ください。
1行1列目から右へ1行1920列目まで、 その次は2行1列目から右へ・・・
と、1画素分ずつ右へ、そしてまた次の行へ ・・・ と繰り返し、
ちょうど横書きの文章を入れるような順番で、色データをつなげてあります。
よって、1行上の同じ列の色データは、1920画素分、手前の色データになります。
つまり、1920画素分前に、この色データを移動させれば、
画面上の色が1画素分、上に移動することになります。
今までの例では、1画素だけを見てきました。
通常のディスプレイでは、1画面に数百万個もの画素が並んでいます。
※ 実際の画素数はディスプレイにより異なります。
この1画面分=数百万画素分のデータを「1フレーム」と言います。
さらに、元の目的である操作の状況やアウトプットを、
人間の目に自然な動きとして画面に映し出すためには、
1秒間に30フレーム分の映像データが必要とされています。
この30フレームを毎秒繰り返し表示させると・・・
このような高速映像処理(グラフィックス処理)を行うのが、グラフィックスです。
グラフィックスは、操作データや情報処理後のアウトプットをもとに、
映像データを作り、それをディスプレイなどへ送る処理を行います。
ただし、ひとことで「グラフィックス」と言っても、
実は、2つのカタチがあります。
1つは、
① CPUの外のグラフィックスボード (略称: グラボ)
※ ボード(板)状の小さなコンピューターです
もう1つは、
② CPUと一体のグラフィックス機能
になります。
カタチは違っても、どちらも同じことをしているので
これらをひとまとめに「グラフィックス」と言っています。
マザーボード
そして、様々なパーツを抱っこしているパソコンのお母さんが、マザーボードです。
マザーボードは、各パーツ用のソケット(スロット、コネクタ)がついた基板です。
パーツの交換も、ソケットからの抜き差しだけで簡単にできるようになっています。
また、ソケットとソケットの間には、バスがとおっています。
バスと言っても、マザーボード上のバスは乗り物ではなく電子回路の配線です。
ターミナル間をつなぐバス路線のように、
ソケット同士を効率よく結ぶ役割を果たしています。
パソコンの全体像
プログラムのロード
実は、まだ先ほどの説明では、全体像として不足があります。
そもそも、パソコン内で様々な処理を行うプロセッサーは、
プログラムの指示が無ければ、動けなかったはず・・・
なのに、どうしてプログラムをロードできるのでしょう?
その答えとしても、やはりプログラムがカギになります。
先ほどの説明でプログラムを起動する前から、プロセッサーはすでに
別のプログラムを読み込んでおり、その指示に従って動いていたのです。
しかしそれだと、
プログラムを起動する前に、別のプログラムを読み込んでおいて、
その別のプログラムを起動するためにも、またさらに別のプログラムを、
その前に読み込んでおいて・・・
ということで、一番はじめのプログラムはどうやって読み込むのか?
が結局、問題になります。
BIOSとOSとアプリ
今までは単にプログラムと言っていましたが、パソコンのプログラムは大きく4種類に分かれています。
① BIOS
電源を入れると、マザーボードから自動的にプロセッサーに読み込まれる特殊なプログラム。
② ブートローダ
BIOSによってプロセッサーに読み込まれ、次にOSをプロセッサーに読み込むためだけのプログラム。
③ OS(オペレーティングシステム)
先ほどの「別のプログラム」。人間向けの操作画面やアプリを読み込む指示などを含む基本プログラム。
④ アプリ
最初の説明にでてきた「プログラム」。目的に応じて起動するプログラムで、OSに従って読み込まれる。
パソコンを選ぶときのヒントに
以上をまとめると、
たくさんあるパソコンの違いが、整理されて見えてきます。
選ぶときのヒントにしてください。
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