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インターネットのしくみ(4/4)~ ドメイン編 ~

      2016/12/15

インターネットのしくみ

~ ドメイン編 ~

人間にとっては難しいIPアドレス

ルーターなど、IPに対応した機器では、IPヘッダにあるIPアドレスを見て、
そのデータの最終宛先を判断します。

IPアドレスは、32ビットのデジタルデータですが、
それを人間にもわかりやすいように4つの数値で表すようにしたのが、よく見るIPアドレスです。

しかし、数字の羅列では郵便番号などと同じで、
人間にとってはまだまだ覚えにくく、間違ってしまいやすいものでした。

数字にしても、人間にとっては難しいIPアドレス

 

ドメイン

そこで、数字の羅列でしかないIPアドレスの代わりに、
インターネットの世界でのわかりやすい地名となるように作られたのがドメイン名です。

ドメイン名で指定された範囲のことをドメインと言います。

※ ドメイン(Domain)とは、元々「領域」という意味です。

 

国際郵便の宛名書きで Minato-Ku, Tokyo, JAPAN などと書くのと同様に、
ドメイン名も、ドット( . )で区切って、より広いドメインを後ろに付け足します。

 

ドメイン名の例: minato.tokyo.jp …より広い範囲が後ろに付きます

 

ドメインの例: minato.tokyo.jp

 

こうすることで、違う場所にある同じ地名とも区別がつきます。

 

違う場所(ドメイン)にある同じ地名(ドメイン名)とも区別がつく

 

DNS

人間にわかりやすい地名がつけられた、ドメイン名
ルーターなどの通信機器が扱える、数値データのIPアドレス

この2つを変換するしくみをDNS<ディーエヌエス>と言います。

※ DNS = Domain Name System

 

DNSサーバーは、ドメイン名とIPアドレスの対応表をもっています。

DNSサーバーに聞けば、ドメイン名からIPアドレスを調べてもらえます。

 

ドメイン名とIPアドレスの対応表を持ったDNSサーバーに、ドメイン名からIPアドレスを調べてもらえる

 

DNSサーバーは、常に正しい情報を維持するために、ドメインのIPアドレス管理者などが管理しています。

 

DNSサーバー

DNSサーバーは世界に1つだけ、ではありません。

広いドメイン毎に担当のDNSサーバーが存在し、対応を分担しています。

なお、DNSサーバーは様々なサーバーへのアクセスを支える非常に重要なサーバーであるため、
通常、同一ドメイン内も複数サーバー体制になっています。

 

広いドメイン毎に、担当のDNSサーバーが存在する

 

 

ゾーン情報

DNSサーバーが持つ対応表は、ドメイン名とIPアドレスの対応だけでなく、
DNSサーバーの情報や、メールサーバー情報なども入っています。

 

DNSのこれらの対応表のことをゾーン情報と言います。

ゾーンとは、DNSサーバーの担当範囲という意味です。

 

各ゾーン担当のDNSサーバーで分担されるゾーン情報

 

ただし、各DNSサーバーは自分の担当ゾーンの情報しか持っていないので、
聞いたサーバーになければ、またDNSサーバーに聞く必要があります。

 

DNSサーバーは、聞かれた情報を自分が持っていなかった場合
その次にどのサーバーに聞けば良いのかまで答えてくれます。

 

DNSサーバーは、次にどのDNSサーバーに聞けばよいのかまで教えてくれる

 

聞く先のDNSサーバーの順番は、目的地を探す時の地図の見方と同じです。

近くになければ、一番広く見渡せるところから順に範囲を絞り込みます。

 

聞く先のDNSサーバーの順番は、目的地を探す時の地図の見方と同じ

 

まとめ

IPアドレスは覚えにくいため、サーバーの指定にはドメイン名を使います。

DNSクライアントは、設定されたDNSサーバーにIPアドレスを聞きます。

設定されたDNSサーバーは、自分のゾーン情報を見てわからない場合、
以下の順番で他のサーバーに聞き回ります。

設定されたDNSサーバーは、ルート、jp、tokyo.jp、minato.tokyo.jp というように広いところから順にDNSに聞いて回ります

こうして、設定されたDNSサーバーは、自分のゾーン情報に無いIPアドレスでも答えてくれます。

 

だから・・・

DNSサーバーは…

DNSを使えば、離れた場所にあるネットワークでも、同じドメインとして見せることができます。

ブログなどのサーバーが変わっても、ゾーン情報を更新すれば、同じドメイン名を使い続けられます。

ゾーン情報が書き換えられてしまうと、簡単にニセサーバーに誘導されてしまう危険性があります。

このようにDNSが悪用されないよう、DNSサーバーは通常、厳重なチェック体制で管理されています。

 

メールは…

メールアドレスの @ より後ろも、ドメイン名になっています。

DNSのゾーン情報には、メールアドレスのドメイン名に対応するメールサーバーの情報も含まれます。

メールアドレスのドメイン名は、送信先のメールサーバーのIPアドレスを確認するために使われます。

電話番号と違い、メールアドレスにはドメイン名が含まれるため、他社乗り換えで持ち越しできません。

 

 

 

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