通信のしくみ(1/3)~ 考え方の基本編 ~
2016/12/15
「通信」って何でしょう?
電話やデジタルデータ通信など、様々な通信に共通のしくみをわかりやすく解説していきます。
通信のしくみ
~考え方の基本編~
通信とは
通信という言葉は、「通」と「信」の2字からできています。
通(通す、通る、通う、…)は、 … 行き先 と 道
信(信号、信用、信頼、…)は、 … わかってもらう
また、通信を英語で言うと、
communication(コミュニケーション)…同じものを共有
これらのことから、通信とは、以下の図のようなことを表します。
ここでポイントは、4つあります。
順に見ていきましょう。
(1)データ
実際に○がそのまま送られるのではなく、言葉などのデータに変換されて送られます。
(2)道
データはワープできるものではなく、何らかの道(伝送路)を通って送られます。
(3)相手
データの行き先はどこでも良いのではなく、はじめから決めていた宛先に届けます。
(4)共通認識
相手がデータを読み取って、自分と認識を共有できてはじめて、通信の成功です。
昔の通信
大昔は、光や煙、音などを使って合図を伝えたり、飛脚や鳥などに手紙を届けてもらったり
が通信でした。この時代からも、通信は先ほどの(1)~(4)の流れに沿っていました。
それから現在の通信に大きく近づいたのが電話です。
電話も、先ほどの(1)~(4)の流れです。
電話
電話の発明は、まず(1)(2)(4)で音→電気→音という変換の実現がカギでした。
このように、元に戻せる変換を可逆変換と言います。
* 音が変質するため、完全な可逆ではありませんが、実用上の可逆変換
スイッチング
そして(3)ですが、糸電話のように1本線では、その先の相手も1人だけです。
しかし、電話はたくさんの人とつながってこそ低コストで便利になります。
そこで、電話の相手先を増やすため、
スイッチング(電話交換)という、相手先切替のしくみが生まれました。
初期の電話交換は人手でスピーカーとマイクをつなぎ換えていました。
ネットワーク
その後、電話番号(アドレス)が整備されて、スイッチングも人手を使わず、
自動交換機(切替スイッチ)で相手先につながるようになりました。
自動交換では、あらかじめ網目状につながった伝送路が稼働しているため、
その伝送路のつながりをネットワーク(通信網)と呼ぶようになりました。
電気通信
電話は、音声を電気に変換し、電気データを相手に送り、
相手側で電気を音声に戻す電気通信です。
音声以外のデータでも、電気と可逆変換ができるものであれば、
同様に、電気通信が可能です。
デジタル通信のしくみ
デジタル通信
そして電気通信は、幅広く様々なデータ通信に使われるようになりました。
例)FAX、銀行ATM、インターネットなど
これに合わせて様々な通信技術が発達し、より速く、正確に、低コストで
多種多様なデータ通信ができるデジタル通信が現在の主流となっています。
まとめ
通信とは、相手に伝え、わかってもらうこと。 <共通認識が目的>
多くの相手とつながれば、1本線の通信より、
さらに低コストで、より便利になります。
あらかじめ多くの相手とつながった伝送路をネットワークと言います。
ネットワーク上にいる相手の場所を指し示すデータのことをアドレスと言います。
特定の相手にだけデータを渡すため、
アドレスを見てスイッチングが行われます。
現在は、様々なデータを可逆変換できる電気通信、
特にデジタル通信が主流です。
だから…
多くの人と通信するために、通常は、大きなネットワークに加入します。
ネットワーク内で通信をするには、そこで使われるアドレスが必要です。
アドレスを偽装して、他人になりすまして通信するような犯罪もありえます。
重要な通信には、本人確認やデータの暗号化などで偽装対策をします。